ヘルシーなイメージのある全粒粉パンが「身体に悪い」と聞くと不安になりますよね。
結論から言うと心配しすぎる心配はなし!
全粒粉パンは玄米と同じく残留農薬やフィチン酸の心配などで、身体に悪いと言われることもありますが、心配しすぎる必要はありません。
安心して全粒粉パンを食べるためにも、全粒粉パンのデメリットや食べ方のコツをお伝えします。
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全粒粉パンが身体に悪いといわれる5つの理由
全粒粉パンが身体に悪いと言われる5つの理由は、次のとおりです。
それぞれの理由をくわしくお伝えします。
①残留農薬やカビ毒の心配
全粒粉は、外皮も丸ごと挽くため、残留農薬や防カビ剤の多さが心配されています。小麦は外国からの輸入に頼っている部分が多いので、心配を加速させる原因にもなっています。
結論をいうと、「農薬の基準値を超えたサンプルは輸入できないので、基本的には危険ではない」です。
例えば体重50kgの人が50mgのグリホサートを毎日、一生涯、摂取し続けても、健康に問題がないことを示しており、取り上げられているグリホサートの最大検出量0.18mg/kgのパンであっても、毎日278kg(約730斤)食べ続けても問題がないことになります。このパン量は日本人1人当たりの1日の平均的パンの摂食量である44gの約6,000倍にもなる非現実的な量です。このことから明らかなように、パンに関するグリホサートの健康上の懸念は全く不要です。
一般社団法人パン工業会:残留農薬(グリホサート)に関するパンの安全性について (pankougyokai.or.jp)
全粒粉パンに限らず、小麦粉を使ったパンでも残留農薬(グリホサート)が検出されることがありますが、毎日大量にパンを食べる人でない限り、過度に心配する必要はありません。
②フィチン酸による栄養阻害
フィチン酸は、鉄やカルシウムの栄養を妨げる可能性があると長らく言われていましたが、近年では抗酸化作用など良い面もあることが分かってきました。
フィチン酸による栄養素の吸収阻害で健康被害が見られたのは、「発展途上国でフィチン酸を含む未精製の食品が主な食事だった場合」であり、十分な食事ができている場合は過度に心配する必要はありません。
フィチン酸含有飲料を12週間摂取し続ける実験でも、ミネラル関連指標にも問題はないとされています。
③添加物が多いこともある
市販の全粒粉パンには味をおいしくするために、添加物を多く含んでいる商品もあります。
全粒粉パン以外の商品でも添加物を多く含んでいることもあり、全粒粉パン以外の食品でもありえるので、全粒粉パンだけを特別に避ける必要はありません。
市販パンには全粒粉配合率が低い商品も多いので、成分表示は見ることがおすすめです。下記の記事の全粒粉パンはどこで買える?で詳しく説明しています。
④消化が悪い
全粒粉は小麦粉にはない外皮や胚芽が含まれているので、食物繊維が多く消化が悪いです。
全粒粉は小麦粉の4倍近くの食物繊維を含みます。そのため、よく噛んで食べないと胃腸に負担をかけてしまい、腹痛や下痢を引き起こすこともあります。
また水分不足になると便秘を引き起こしてしまうこともあるので、注意してください。
⑤酸化しやすい
全粒粉に含まれる小麦の表皮や胚芽は、他の部分と比べると酸化しやすい場所です。
全粒粉パンが酸化してしまうと、味の劣化以外にも活性酵素を作り出すデメリットがあります。活性酵素は、肌の老化などをまねく可能性があります。
全粒粉パンを食べる際には、開封後はなるべく早めに食べましょう。
全粒粉パンにはメリットも多い
全粒粉パンを小麦粉のパンと比較した場合のメリットは次のとおりです。
全粒粉パンはメリットも多く、ダイエット中の人や健康意識の高い人への栄養補給にも人気です。
全粒粉パンとダイエットについて気になる人は下記の記事もごらんください。
①低GI食品
全粒粉パン | 50 |
パン | 90 |
全粒粉パンは、一般的な小麦粉のパンと比較すると、血糖値の上がりづらい食品です。
GI値は55以下なら低GI食品と言われているので、全粒粉パンは低GI食品と言えます。血糖値が上がりづらくなると、糖が脂肪に変わりづらくなるので、美容意識の高い人にもおすすめです。
②ビタミンやミネラルが豊富
全粒粉 | 強力粉 | |
鉄分 | 3.41mg | 0.9㎎ |
亜鉛 | 3.3mg | 0.8㎎ |
ビタミンB1 | 0.37mg | 0.09㎎ |
カリウム | 363mg | 89㎎ |
全粒粉は強力粉と比較すると、胚芽等を含むため、栄養素が豊富に含まれています。栄養補給目的で考える場合、全粒粉パンは一般的なパンよりおすすめです。
ただし、全粒粉パンにはカルシウムやビタミンCは不足しているので、食事の際には牛乳や果物など補える食品があると、さらに栄養バランスがよくなります。
栄養バランスがあるパンを食べたい場合は完全栄養食(※)であるベースブレッドにすると、栄養の底上げが期待できます。
話題のベースブレッドも全粒粉が主原料だよ!
③腹持ちがいい
全粒粉パン | 7g |
パン | 2.2g |
全粒粉パンは、食物繊維含有量が多く消化に時間がかかるため、腹持ちのいい食品です。腹持ちがいいので、自然と間食の頻度が減るので肥満を予防できます。
厚生労働省によると日本人は食物繊維が不足傾向にあるので、小麦粉のパンを全粒粉のパンに変えることで食物繊維不足を解消傾向にできます。
腹持ちがいいということは消化に時間がかかるので、夜遅い時間に食べると胃腸に負担をかけるので、注意してください。
④グルテンが少ない
全粒粉パンはグルテンフリーではありませんが、全粒粉は小麦粉と比較するとグルテンを作りづらいという特徴があります。
健康や美容のためにグルテンを避けている人は全粒粉パンに変えることで、摂取するグルテン量を減らすことが可能です。
全粒粉パンを食べるときに注意すること
全粒粉パンを食べる際に注意したいポイントは、次のとおりです。
それぞれ解説するので、参考にしてください。
①配合率に注意する
全粒粉パンの全粒粉の配合率は、3%~100%まで幅広いです。配合率をチェックしないと、全粒粉パンを食べているつもりでもほとんど摂取できてい可能性があるので注意してください。
裏の成分表示を見ると、添加物なども合わせてチェックできるのでおすすめです。全粒粉パンはどこで買える?の記事でも、よくある全粒粉パンの配合率を記載しています。
②よく噛んで食べる
全粒粉パンには消化が悪いというデメリットがあるので、よく噛んで食べましょう。
よく噛んで食べることで、少量でも満腹感を感じられる他にも、胃腸の負担を軽減できます。よく噛んで食べても消化には時間がかかるので、なるべく朝や昼に食べることがおすすめです。
③水分と一緒に摂取する
全粒粉パンは食物繊維の多さがメリットですが、水分が不足すると便秘に繋がる可能性があるので注意しましょう。
一般的なパンを食べる食事よりもコップ1杯多く飲むと、食物繊維のメリットが受けられます。
まとめ|全粒粉パンは身体に悪いは言い過ぎ
全粒府パンは身体に悪いと言われることもありますが、メリットもたくさんあります。
残留農薬や添加物の問題は、他の食品でも同様に心配な点でもあるので、全粒粉パンの危険性を過度に心配する必要はありません。外国産が心配な人は数は少ないですが、国産の全粒粉を使ったパンを取り扱っているお店を利用してもよいでしょう。
全粒粉パンはよく噛んで水分を多くとることを心がけつつ、食生活に上手に取り入れていきましょう。
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